ピラティスは、かつてはセクシーな女性やセレブの間で流行するエクササイズだった。
しかし、いまではヨガを超えるほどの話題かつポピュラーなフィットネスメソッドになりつつある。
そこでUK版「エル」がピラティスの歴史や魅力について紹介。
Section01 フィットネスのニュートレンド
古来より伝わる非常にポピュラーなヨガに対して脇役的な存在だったピラティス。しかし、最近の調査によると、英国のフィットネス好きの人たちの70％は、今やヨガではなくピラティスを選んでいるのだとか。ピラティス人口は昨年、124％増を示し、ヨガ、サーフィン、ポールダンス、そしてキャリステニクス（自重トレーニング）をおさえて、フィットネストレンドのチャートで首位になった。一体何が起こったのだろうか。
Section02 ここでピラティスの歴史をおさらい
質の良いインストラクターであれば、まずは基礎から学びましょうと言うはず
ピラティスは、約5千年前に最初に誕生したと信じられているヨガに比べると、まだ赤ん坊のようなもの。
ピラティスは1920年代に、ドイツの体操選手兼サーカスパフォーマー兼ボクサー選手兼大工のジョセフ・ピラティスによって発明された。
彼は第一次大戦後のヨーロッパにおいて、負傷したダンサーや兵士を助けるために、彼流の“心と体の”エクササイズプログラムを開発した。
ジョセフ・ピラティスは米国に移住した後、彼の妻クララと共に、ニューヨークに最初のスタジオをオープン。当初、彼のメソッドは“コントロロジー”と名付けられ、私たちが現在知るピラティスの基礎を築き上げた。
30回で体のすべてが変わる
ピラティスで焦点を当てるのは常に体幹。体全体に対して負担の少ない動作をすることで、
体の強さ、姿勢、フォルムを改善させる。
熱心なピラティスのファンなら誰もが支持する彼の主張は、「10回で違いを感じ取り、20回で見た目の変化を感じ、30回で体全体すべてが変わる」というものだ。
セレブの間でもピラティスが流行
エクササイズの結果については、ヘイリー・ビーバーやアシュリー・グラハム、ナオミ・キャンベル、ロリ・ハーヴィーに聞いてみて。
今年のMETガラにおいてノーマニ・コーディは、「クリスチャン シリアーノ」のカットアウトドレスを身にまとい、驚くほど引き締まった腹筋を披露。驚きを隠せないインタビュアーに「ピラティスよ」と言った。この他に、デビッド・ベッカムは、毎日ピラティスのプラクティスを行うことで「これまでの人生のなかで最高の体をつくることができた」と明かしている。固定概念を捨てて、とにかく一度やってみて欲しい
ピラティスは言葉で言い尽くせないほど素晴らしいもの
Section03 オリジナルのメソッドも続々誕生
「ピラティスこそすぐに違いを感じ、体の変化が見えるワークアウトでした」と話すのは「ハートコア」の創始者で、現在ロンドンに7つのピラティススタジオを構える、業界の牽引者ジェス・シューリング。ドイツ生まれのシューリングは、デザイナーとしてLAで働いていた時にジョセフ・ピラティスのメソッドに即したクラシックなピラティスに出合い、即座にほれ込んだそう。
しかし、彼女はインストラクターとして活動を始めたころ、よりダイナミックでコンディショニングに基づいた要素を取り入れ始めた。これにより利用者がより良い結果を得ることができ、レッスンに夢中になった。
「美容ジャーナリストのキャリアのなかで、ロンドンで流行したすべてのエクササイズを試しました。ボクシング、HIIT、エアロバイク、手すりを使ったエクササイズ、バーベルを使ったエクササイズ、ボート漕ぎエクササイズ、ズンバ、そして空中ブランコを含むサーカスクラスも。しかし、ピラティスのように、体を磨き上げ、腹筋をつくる効果に及ぶものはありませんでした」と、話すのはUK「エル」のエディター。
ピラティスのレギュラークラスに
UK「エル」エディター
のめりこまなければ、
私の足はこれほどタフに
感じることも、
肩がこれほど形づくられることも、
そして
ヒップラインが引き締ることも
ありませんでした！
Section04 ハイクラスのスタジオも誕生
英国では、現在4476のピラティス＆ヨガのスタジオがある。そしてその市場規模は9億ポンド以上の価値を有している。
ピラミッドの頂点は、「ノブ ピラティス」のような高級スタジオ。ここは、メリルボーン地区にあるノブホテルの地下にある美しくデザインされたスペース。淡い色の木材、そしてソフトな照明を思い浮かべるとわかりやすいはず。
「ノブ ピラティス」クリエイティブディレクター、マーシャ・リンゼーによって運営されており、ロンドンにおいて完璧なピラティスが経験できると謳っている。
なお、リフォーマーを使用したクラスは高額になりやすい。ロンドンの平均的なクラスでは、1回あたり約30ポンドといわれている。
Section05 カジュアルにスタートしたい人はマットピラティス
一方で、マットピラティスは、ほとんど道具を必要とせず、より多くの人が利用できるのが特徴。価格も抑えられ気味で、人々が怖がる要素を取り除いてくれる。
「人々はピラティスの道具におびえてしまう可能性があります。また、よりプライベートなスペースでやりたいと思う人もいます」と、シューリングはいいます。
パンデミックの期間はオンラインでもピラティスが行えるよう、マットの上で行うメソッドに切り替えた。
また、アプリをはじめとするオンデマンドでもトレーニングすることが可能。マットと若干のモチベーションだけあれば行うことができる。
Section06 自宅用ピラティスマシンも登場
スタジオとプライベート感の、双方の良いとこ取りがしたい人のためには、近い将来登場する家庭用マシンが解決法となる。
今年早い時期に英国に登場する「フレーム フィットネス」というブランドは、シックでシンプルでありながら、スタジオグレードのリフォーマーを提供。ビデオやオンラインクラスも取り揃えている。
会社の共同創始者で、16年のインストラクター経験を持つ、カナダ人のメリッサ・ベンティボルジオは、スタジオピラティスの成長を見て、次の段階がどうなるかを予見した。
「ディジタルフィットネスの様相は、スマートミラーや、ハイドロー（家庭用ボート漕ぎマシン）そしてもちろんエアロバイクのペロトンによって、過去5年間で爆発的に成長しました。私は、このトレンドはなぜピラティスに移行しないのだろうと考えました。家庭用へとシフトすることは必然だと思います」
もちろん、コストはそれなりにかかる。フレームフィットネスマシン、あるいは同様の機材で約3500ポンドほど。それに加えて月間のメンバーシップ費用がかかる。メリッサはこの金額自体は高いと認識している。しかし、ピラティスの効果や魅力を考えると、その価値があると信じている。
一度スタートすれば、きっと夢中になって習慣化するようになるでしょう。
80歳、あるいはそれ以上の年齢でも始められます。
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