みなさんは、「フロ一」という言葉をご存知ですか?
今日みなさんにご紹介したい「フロ一」は、アメリカの心理学者、ミハイ・チクセントミハイが提唱する、心理状態の話。
実はピラティス・ヨガのマットレッスンとも深い関係があります。
みなさんのウェルビーイングライフにつながる内容ですので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
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「フロー」とは?
チクセントミハイが提唱する「フロ一」(状態・体験)は、時間を忘れてしまうほど、目の前の物事に完全に没頭し、集中できる心理状態を指します。
スポ一ツ選手が「ボ一ルが止まって見えた」と言ったり、バスケットボール選手が3ポイントシュートを連続で決めたり、抜群に高いパフオーマンスが発揮される時「ゾ一ンに入った」と言うことを聞いたことがありますか?
もしくは、読書や仕事などに取り組むとき、「我を忘れて集中していたら、いつの間にか長時間が経っていた」ということはありませんか?
それがまさに、「フロー」状態です。
フロ一状態にあるとき、人は極度に集中した状態にあるため、自意識や時間感覚が簿くなります。周囲の雑音が気にならなくなり、心と身体が一体化したような感覚になったり、充実感や達成感が感じられ、すべてがうまくいっているように感じたりします。
フロ一状態に入っていると、人は幸せを感じやすくなるのです。
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「幸せの根本は何か」という問いから生まれた「フロー」概念
ハンガリ一で育ったチクセン卜ミハイは、第二次世界大戦の混乱を目の当たりにし、幼い頃から「生きるとは何か」「幸せとは何か」を自問自答し続けました。
22歳でアメリカに渡った彼は、音楽家やア一ティスト、スポ一ツ選手や科学者に「生活の中で幸せを感じる瞬間」についてインタビュ一し、彼らの心理状態を研究しました。その結果、彼らがクリ工イティブな活動や高いテクニツクを必要とされる仕事に没頭しているとき、疲れを感じず、時間の過ぎるのも忘れて活動を続け、永続的な満足感を得られていることを発見しました。そして、その精神状態のことを「フロ一」と提唱したのです。
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「フロー状態」が生まれる条件とは?
それでは、脳が没頭できる状態は、どういった条件下で生まれるのでしょうか?実は、フロー状態は自分にとって簡単すぎることではおこらず、また自身の能力値が低い場合にもおきません。
フロー状態に入るためには、「挑戦レベル」と「スキルレベル」の両方が高い必要があるのです。
仕事やスポーツに取り組むとき、スキルが高い人は難易度の低いことに取り組むと能力を持て余して退屈に感じてしまったり、逆に、スキルが低い人にいきなり難易度の高い仕事を与えると、不安・心配を感じたりしますよね。
この図は、チクセントミハイが人間の精神状態を8つに分けて定義し、挑戦レベルとスキルレベルの相関関係を整理したもの。
フロー状態に入る条件として、スキルレベルと挑戦レベルがともに高いことが必要で、その状況において流れるような無我の境地としての没頭が生じることがわかります。
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「フロー状態」に入るための条件
他にも、「フロー状態」に入る条件として、チクセントミハイは図の8要素を挙げています。
この8つの条件のうち、 いくつか組み合わさることが 「フロー」状態に入る条件とされています。そしてなにより、フロー状態を期待するには、 物事を「能動的に楽しむこと」が大事だと、チクセントミハイは語っています。
「楽しい」という感情は、モチベーションや生産性など、高度なメンタルコントロールを必要とするもの。 自分の能力が最大限に発揮できるよう な課題に挑戦しているときに生まれる感情であり、まさにフロー状態に近い状態です。 積極的に楽しさを追求することで、フロー状態がおこることを期待できるでしょう!
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「フロー状態」とウェルビーイングの関係性
フロー状態は、幸福=ウェルビーイングと密接に関係しています。
アメリカの心理学者、 マーティン・セリグマンが考案した定義した 「PERMA理論」では、ウェルビーイングの要素として、以下の5つを挙げました。
ウェルビーイングの5つの要素「PERMA」
二番目に当たるエンゲージメント (熱中・没頭) とは、仕事やスポーツなどの活動に完全に集中している状態を指します。まさに、フロー状態のことですね!フロー体験は、ウェルビーイングに欠かせない要素の一つなのです!
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マット・グループレッスンを受けて、Wのフロー「没入感」を感じよう!
流れるようにエクササイズをしながら、 集中力を高めていくことで人気のマット・レッスン。
中でもピラティスの 「Flow」 レッスンは、 実は、流れるように動くという意味でのフローと、フロー状態との2つの意味を持つことを、ご存知でしたか?
マット・グループレッスンでは、身体の各部位のつながりを感じながら動き続けることで、個々の心・身体・精神が融合し、クラス全体が調和していく中で、没入感=フロー体験を促していきます。
これはマット・グループレッスンだからこそ体験できるもの。
正しい動きを学ぶマシンピラティスやプライベートレッスンと併せてマット・グループレッスンを受講することで、集中力がさらにUPし、フロー状態を高めることができるでしょう!
今日のレッスン受講から是非、「フロー」を意識して取り組んでみてくださいね♪
マット・レッスン &「Flow」ピラティスでフロー状態を体験してウェルビーイングに!
『フロー体験入門 楽しみと創造の心理学』 (著:M.チクセントミハイ 監訳:大森弘) p93,『フロー体験 喜びの現象学」 Mihaly Csikszentmihalyi (原著), 今村 浩明 (翻訳) (世界思想社/1996/8/1) p62,https://souken.shikigaku.jp/1109/ ,https://www.attuned.ai/jp-blog/finding-happiness-in-flow