インフルエンザの要因の一つが現代人特有の「口呼吸」であると言われているのを知っていますか?
人間の鼻の中には水分と繊毛があり、それがフィルターの役割をするため、鼻から空気を吸って鼻から吐く鼻呼吸では、ウィルスは外に、フィルターを通した空気だけが体内に入ってくるようになります。
一方、口から空気を取り入れる口呼吸をしていると口の中が乾燥し、唾液の量が減ってしまいます。通常時は唾液がバリアとなってウイルスの侵入を防いでいるのですが、その唾液の量が減るとバリア機能が低下しウイルスが直接、喉の粘膜に侵入してしまいます。
section01
日本人の9割が感染症の原因になる口呼吸をしている
現代では日本人の約9割が、「口呼吸」をしているという調査結果が出ています。そしてそのことが、アトピーなどのアレルギーやインフルエンザなどの感染症の感染、そして心の病気の原因になっている可能性があるそうなのです。
口呼吸になってない?チェックリスト
・口を閉じると顎に梅干しのようなシワができる
・下唇が分厚い
・前歯が飛び出している
・いびきや歯軋りが激しい
・口角が下がっている
・まぶたが腫れている
・常に唇が乾いている
・左右の目の大きさが違う
以上のような特徴が当てはまっているという人は、口呼吸の悪影響がすでに表れているため、注意が必要とのこと。
ただし、最初にも触れたように、日本人の9割が口呼吸であると考えられているため、上記の特徴に当てはまらないからといって、安心はできません。
section02
「鼻呼吸」にするだけでインフルエンザ予防
今すぐできる「あいうべ体操」をやってみよう
鼻呼吸のトレーニングとして注目されているのが、「あいうべ体操」です。
あいうべ体操とは簡単に言えば、「あー」「いー」「うー」「ベー」と発声するように口を大きく動かす体操です。これを1日30回程度繰り返すだけで、目に見えて免疫力の向上が期待できるそうです。
ある小学校でこのあいうべ体操を実践したところ、大幅にインフルエンザに罹る生徒の数が減少したことで話題になりました。
あいうべ体操のやり方
【1】「あー」と口を大きく開く
【2】「いー」と口を大きく横に広げる
【3】「うー」と口を強く前に突き出す
【4】「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
【1】~【4】を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続ける
あいうべ体操の効果
あ
アトピー性皮膚炎などのアレルギーの病気
口呼吸は、慢性扁桃炎を引き起こし口、鼻の周りのリンパ組織が免疫異常を引き起こしてしまいます。それがアレルギー発症に関与しているのではと考えてられています。
い
インフルエンザなどの呼吸器の病気
口呼吸は、乾いて冷たい、そしてきちんと異物が濾過されていない空気を体の中に入れ込んでしまいます。これがインフルエンザや風邪の発症に大きく関係しています。気管支喘息でも、気道の過敏性が高まり冷たい空気を吸うことにより気管支が収縮し喘息発作の引き金となることも分かっています。
う
うつ病などの心の病気
浅く速い呼吸は交感神経を緊張させますし、深くゆっくりとした呼吸は副交感神経の刺激となります。口呼吸は浅く速い呼吸になり、鼻呼吸は深くゆっくりとした呼吸になることが分かっています。鼻呼吸は精神安定につながります。
べ
べんぴなどのお腹の病気
べんぴ、過敏性超症候群、潰瘍性大腸炎などなどのお腹の病気にも効果があるといわれてます。
section03
自分の舌、正しい位置にありますか?
舌の正しい位置は、”舌先が上あごに付いている状態”です。
試してみればすぐに分かりますが、この状態だと口呼吸をしようとしてもできないので、結果的に誰でも鼻呼吸をすることになるのです。逆に、口を閉じた時に舌が宙に浮いていたり、下の歯についていたりするのは、舌の筋力が衰えている予兆で、本来あるべき位置から舌が下がってきてしまった結果なのだそうです。
あいうべ体操では、口を大きく動かすことで衰えてしまった舌の筋力を鍛えなおし、本来あるべき位置に戻すことができます。
できることから予防して、自分と大切な人たちを守りましょう!