前回の記事でも姿勢不良の子どもが増えているとお伝えしましたが、今回は姿勢不良による内部的影響についてのお話です。
日本教育保健学会の「子どものからだ調査(実感調査)」(=保育・教育現場の教員を対象に子どもの身体の変化について調査)で、「じっとしていない」「ADHD傾向」「アレルギー」「すぐ“疲れた”という」など様々な事象が増えていることがわかったのですが、これらの事象について、関連する身体の機能としては「①前頭葉機能」「②自律神経機能」「③睡眠・覚醒機能」の3つが一番多くあげられています。
そして、これらの機能も全て、姿勢の悪化が引き起こしている可能性があります。
section01
①前頭葉機能 − キレる子供が増えている理由 −
前頭葉機能とは、大脳の前部に位置する前頭葉が担う様々な機能のことで、やる気、意思、集中力、判断力、コミュニケーション力など人間の“心”の身体的な基盤です。
前頭葉の機能は、人間が人間らしく振る舞うために必要なものなのですが、その働きが低下すれば、人間らしい感情の動きや思いやりの心、そして物事を記憶する力が弱くなってしまうと言われています。
小さな子どもは目先のことにのみ気が向き、衝動的に行動しがちです。これは前頭葉の発達に関係していて、実行する能力は年齢に沿って発達していくのですが、近年、学級崩壊を引き起こしたり、「キレる」子どもが増えたりしているのは、この前頭葉の機能が低下している子どもが増えているためではないかと考えられています。
section02
②自律神経機能 − 日本の子どもたちは疲れやすい? −
自律神経とは、自分の意識とは無関係に身体の機能を調整する神経のことを言います。自律神経には「交感神経(=活動しているとき)」と「副交感神経(=リラックスしているとき)」があります。このふたつがバランスよく働くことで健康でいられるのです。
特に日本の子どもたちは、外界からのさまざまな刺激に対し、緊張しているときに働く交感神経が過剰に反応しやすく、疲労をためやすいからだの状況になっていることがわかっていいます。
section03
③睡眠・覚醒機能 − 日本の子どもたちは世界で一番眠れていない!? −
「覚醒」の反対は「鎮静」「無気力」です。人間は本来ならば起きている時間は覚醒しているのが正しい状態であるのに、質の良い睡眠を十分にとれていないことで、起きている間無気力になっているのです。
日本の子どもたちの睡眠時間は、およそ100年の間に小学生で1時間程度、中学生では2時間程度も短くなっています。アメリカ睡眠協会による推奨睡眠時間に示される年代別の睡眠時間を大きく下回るだけでなく、他国のデータと比較しても、「世界でいちばん眠れていないのが、日本の子どもたち」と言えるそうです。
section04
ピラティスがもたらす効果
ピラティスは「動く瞑想」と言われています。
瞑想の効果によって集中力や注意力が向上し、冷静な意思決定ができるようになり、衝動的な行動を抑制する能力が強化されます。また、ゆっくりとした呼吸に意識を向けるので、脳に酸素を送り込み活性化させます。
また、子どもはバランス感覚の回路が脳の中でうまく働かないと、姿勢の維持や調整がうまくいかなくなります。そして、感覚の不足分を補う「自己刺激行動」が出やすくなります。(自己刺激行動とは、走り回ったり、高いところに登りたがるなどの行動)
つまりバランス感覚を鍛えると、覚醒機能にも効果的に働くため、落ち着きがないなという子どもにもピラティスはぴったりです。
見て、感じて、変わる!未来を育むキッズピラティス
見て、感じて、変わる!未来を育むキッズピラティス
zen placeの「キッズ・ピラティスコース」詳細はこちら
https://www.zenplace.co.jp/classes/kids