前回の記事では、なぜzen placeが公式アプリでヘルスケアデータを連携したのか、なぜ 安静時心拍数、心拍変動 、睡眠の質・睡眠時間を重要指標としているのか、その理由を紹介しました。
今回の記事では、安静時心拍数、心拍変動 、睡眠の質・睡眠時間の各指標の詳細と、一般的な目標数値、さらにzen place会員の皆さんに目指していただきたい目標数値を紹介します。
section01 安静時心拍数とは
安静にしている時の心拍数。
成人の正常値は1分間に60〜100回と言われていますが、低い方が望ましいです。
安静時心拍数が低いということは、心臓があまり働く必要がない、つまり、身体の中の血液をより循環させる必要がない健康な状態といえるからです。
一方で、体の中の栄養が不足しているときや体の中に害となる異物があるとき(病気の兆候)は、心臓は早く動く必要があります。
また、心臓は緊張状態によっても左右されます。
心が緊張状態にある場合には早くなりますよね。心拍数を見ることで緊張状態か、リラックスできているか、またストレスを感じてもその対処ができているのかなど、身体全体の状態だけでなく、こころの状態(脳の状態)を知ることができるのです。 安静時心拍数を測ることは「身体」と「心」の状態を日々セルフチェックすることにつながります。
安静時心拍数
一般的な目標数値 | zen place会員の目標数値 | |
全年代 | 45-50 | 40-50 |
section02 睡眠時心拍数
一番心拍数が安定するのは睡眠時です。
睡眠中は自律神経の作用により副交感神経が優位になることで心拍数が低下します。
つまり、よく眠れている状態では心拍数が低くなり、ストレスを感じている状態では高く多くなります。
section03 心拍変動とは
心拍変動(HRV)とは、心臓の拍動してから次の拍動までの間隔のことで、生理学的な現象周期的に変化します。
実は、心拍変動は、安静時心拍数以上にこころの状態を示しています。
自律神経(交感神経や副交感神経)の働きによって生じ、心身の適応状態を反映する指標として利用されています。
心拍変動には、次のような特徴があります。
●ストレスや病気の状態で揺らぎが減り、安静やリラクゼーションの状態で増大する
●呼吸の速さによって変化し、ゆっくりとした呼吸では心拍変動の振れ幅が大きくなる
●フィットネスレベルが高いとHRVが増加する
心拍変動が高い状態は、副交感神経が優位でトレーニングと回復(リカバリー)のバランスがとれていることを示し、心拍変動が低い状態はストレスが高く、体調が悪い、可能性が高いことを示します。
さらに、心拍変動を大きくさせることで抑うつや不安を緩和することが報告されています。
まさに心拍変動は、ストレスにどう対処していくかを脳の状態によって改善できるものであり、また自律神経の働きを表すものであることから、自律神経不調を表す指標とも言えます。
心拍変動
般的な目標数値 | zen place会員の目標数値 | |
20-29歳 | 60-100 | 70-100 |
30-39歳 | 50-80 | 60-80 |
40-49歳 | 40-70 | 50-70 |
50歳以上 | 30-60 | 40-60 |
section04 心拍数と心拍変動があらわす睡眠時間と質
睡眠時間と質は安静時心拍数と心拍変動が大きく関連しています。
安静時心拍数が低いと、睡眠時にしっかりと休めている、身体も脳も回復(リカバリー)している、浄化されているということであり、深い睡眠にもつながっています。
また不安のない状態、ストレスのない状態が深い睡眠をつくるので、心拍変動が高い状態は睡眠の質が高いといえます。
睡眠時間
目標数値 | |
全年代 | 7-9h |
深い睡眠
目標数値 | |
全年代 | 20%以上 |
レム睡眠
目標数値 | |
全年代 | 30%以上 |
section05 睡眠の質と「こころログ」
zen place公式アプリのコンテンツ「こころログ」では、自分の「いまの心」を記録することで、「こころの変化」を見える化することが可能です。
寝ているときが“沈静状態”ですので、起きているときは少し覚醒している状態が望ましいのですが、起きている時も、沈静方向にあると、無気力、やる気がでない、エネルギーがわかない状態で、人によってはうつ病に転落することも起こりえると言われています。
これらのデータを継続的に記録し、変化を観察することで、ストレスレベルや生活習慣の影響を知ることができます。
例えば、安静時心拍数が上昇傾向にある場合は、ストレスが蓄積している可能性があります。
また、深い睡眠時間が短い場合は、十分な休養が取れていない可能性があります。
これらの情報を活用し、生活習慣の改善や早期の健康問題の発見につなげることが重要です。
質の良い睡眠をとり、起床時にはしっかりとニュートラルに近い”覚醒状態”になれることが一番のウェルビーイングの近道です。
そのために、まずは「安静時心拍数」「心拍変動」を意識して、「こころログ」をつけることを習慣化してみてください。